サファリ |
この三日間、日本からの旅行者の付き添いで、ウガンダ北部の都市のグルへNGOの活動訪問、そして北西部のマーチンソン・フォール国立公園へのサファリに出かけていた。
人類学者たる者、観光にお金と時間を費やさないと勝手な思い込みでこの二年間ウガンダに滞在していたこともあり、サファリなどという白人文化から無縁だったが、まあサファリはサファリでいいものである(無節操)。
レイ羊やキリンの大群の中、車を走らせながら、草原にある地平線に目を凝らす。これもアフリカの風景の一つではある。
サファリの二日目には、ボートでナイル川を下り、河馬や鰐のうごめく河畔を見回す。象はともかく、シマウマやライオン、豹には出会うことができなかった。もう二日ぐらい滞在していたら違ったかもしれないが、まあGWの合間を縫って来たお医者さん夫婦にはそれ以上の滞在は難しかっただろう。
「野生」動物というのも不思議な言葉だ。ウガンダでは周辺地域の人口圧やらで、「野生」動物公園は本当に人工的な施策の上で作り上げねば成り立たない。その証拠にウガンダは東アフリカでも最大の象の生息地と60年代にはいわれており、当時には三万頭が確認されたという。いま現在の象の頭数は千二百に過ぎないという。民族によっては河馬を食用にするものもあり、政府も観光のために地元住民たちの合意を取り付けるのに必死である。
こうした草原や河畔にて、動物を追いかけて、アフリカを語る時代もあったのだろう。それはそれでよいと思う。私も人類学は「人間」の学問だから、と人間ばかりを追っかけていたことに、ほんの少し反省してはいる。もちろん、サファリだけでアフリカを語るようなことはしたくはないが。でも、楽しい旅行ではあった。
写真にあるのは、見てのとおりレイ羊、キリン、そしてカバ。最初のレイ羊はウガンダの国獣でもある。キリンを見ていると、なんかどこかで見たような風景だと思っていたら同行していた医師の婦人が「まさにジュラシックパークですね」と仰っていて、なっとく。ジュラシックパークのモデルはサファリだったか。でも一番印象的だったのは河馬たち。河馬の堂々たる態度といったら。
サファリの時間は、カンパラの日常と異なり、ゆっくりながらも不思議に濃厚な時間でした。