呪医たち、そして憑依儀礼 |
年末にひょんなことで憑依儀礼に立ち会う。そもそもガンダに憑依儀礼など存在しないなどと思いこんでいた時に、出くわしたものだから、これはまたびっくり。自らの浅はかな思い込みを反省する。
もちろん、呪医が存在することは知っていた。そして何人かの呪医に会ってもいた。だが、まさか呪医と憑依儀礼とが一体になって存在しているとは、勉強不足の私には信じ難かったのである。
さて、ひょんなことで知り合ったスラムに住む呪医の一家に、肉数キロと地酒を数リットル買ってくることを命じられ、ひょこひょこと買ってきて、たまたま一緒にいたドイツ人の友人たちを巻き込んで、午後いっぱいはその憑依儀礼に付き合っていたのだが、実際に立ち会うとこれまたすごいもので、呪医の妻がジャッジャという霊にとり憑かれたかと思うと、まだ火のついている燃えさしを素手でつかんだかと思うと、火を舌でなめまわし、すべて消してしまった。そして地酒を飲んでは平然としている。
これから、その時に撮った動画を再生し、何が唄われ、何が唱えられたかを分析する作業が残っているが、自分としては唖然とする経験だった。
だが、調査内容は茫洋として、どんどん末拡がりにひろがっていくばかり。あと二カ月の調査期間で、どうやってまとめていくのかしら。。。
今回はとりあえずの備忘録までに。
(写真は12月28日、カンパラのあるスラム地区にて撮影。一枚目は肉を祖霊にささげるところ。中央に写っているのはオムサオと呼ばれる呪医。そして左にいるのはドイツから来た友人のラース。二枚目は呪医の呪物たち。)